子どもの歯(乳歯)の役割について
乳歯は、子どもの頃に生えてくる歯です。生後6ヶ月頃に下の前歯が生えてきます。上下の前歯4本が生えそろうと、次に奥歯が生えてきて、1歳6ヶ月頃には生えそろいます。そして、次に犬歯、最後に2歳6ヶ月~3歳頃に奥歯が生えてきて20本の歯が生えそろいます。
乳歯はいずれ永久歯に生え変わりますが、乳歯の成長は永久歯に影響を与えるため、むし歯になっても問題ないというわけではありません。
乳歯には、次のような役割があります。
消化吸収を助ける
乳歯があるから食べ物を噛むことができます。そして、食べ物を噛み砕けるからこそ、消化器官が栄養を吸収できるのです。また、よく噛むことで顎の発達が促され、健全な歯並びへと導くことができます。
発音がうまくなる
乳歯がきれいに並んでいると、舌を正しい位置に置けるようになります。その結果、正しい発音ができるのです。
永久歯の生え変わりを誘導する
永久歯への生え変わりの時期になると、乳歯の根が吸収されます。そうすると乳歯が自然に抜け落ち、永久歯が正しい位置に生えるように誘導します。そのため、乳歯を早期に失うと、結果的に永久歯が正しい位置に生えてこなくなる可能性があるのです。
歯が生え変わる時期について
乳歯の元になる歯胚は、妊娠7~10週目に作られ、生後8ヶ月頃には下顎の前歯が生え始めます。このように、お腹の中にいるときには、すでに歯が生える準備が整っています。なお、乳歯から永久歯に生え変わるのは6~12歳頃です。
乳歯はむし歯になりやすいので注意を
乳歯は永久歯と比べて柔らかく、虫歯菌が出す酸に弱いため、むし歯のリスクが高い点に注意が必要です。また、永久歯と比べて薄いため、むし歯が短期間で大きく進行します。小さな子どもは痛みをうまく伝えることが難しいため、大人が気づいたときには神経に達していたケースは少なくありません。
一番大切なのは6歳の臼歯
6歳臼歯は、永久歯の歯列に大きな影響を与えます。6歳臼歯を中心に歯列が形成されるため、むし歯で早期に失ってしまうと永久歯の歯並びが大きく乱れる恐れがあります。子どもが1人で歯をしっかり磨けるようになるまでは、親御さまが乳歯の性質を把握したうえで適切な仕上げ磨きを行うことが大切です。
子どものむし歯は
しっかりと予防しましょう。
乳歯はいずれ永久歯に生え変わりますが、むし歯を放置してはいけません。乳歯を早期に失うと、永久歯の歯並びが悪くなるだけではなく、顎や脳の発達に悪影響が及ぶ恐れがあります。乳歯のむし歯を防ぎ、早期発見・早期治療を実現するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
また、規則正しい食生活を心がけ、歯にかかる負担を少しでも減らすことが大切です。乳歯は子どもの健全な発育に欠かせないため、小さい頃から予防意識を持ってセルフケアや定期受診を続けることをおすすめします。