部分矯正とは
部分矯正とは、全ての歯を矯正するのではなく、前歯だけ、歯並びが気になるところだけなど、部分的に矯正する方法です。むし歯や歯周病、インプラントなどの治療を円滑に進めることを目的に行うこともあります。
部分矯正装置の種類
- 表側ワイヤー
- 裏側ワイヤー
- マウスピース型矯正装置
- セラミック矯正
部分矯正と全顎矯正では、適用する治療法に共通点があります。セラミック矯正は、矯正装置を使用するのではなく、セラミックの補綴物を被せて歯の形を整えます。
部分矯正の治療期間
部分矯正の治療期間は、1ヶ月~1年程度です。噛み合わせまで考慮した矯正ではないため、それだけ短期間で治療が完了します。
部分矯正のメリット・デメリット
メリット
- 全顎矯正と比べて治療期間が短い
- 全顎矯正と比べて治療費が安い
- 矯正治療における心理的負担が少ない
デメリット
- 噛み合わせを作る矯正ができない
- 仕上がりは全顎矯正に劣る
- 抜歯を適用できないことが基本のため歯を削ることが多い
部分矯正で大切なこと
矯正治療は、歯の見た目を整えるだけではなく、機能性を改善することも目的の1つです。とにかく見た目だけを整えたいからといって、適用が難しい症例に部分矯正を適用すると、噛む機能の問題が大きくなることで日常生活にさまざまな盈虚うが及ぶ恐れがあります。
そのため、部分矯正と全顎矯正のどちらを選ぶべきか、歯科医師が慎重に判断しなければなりません。部分矯正が悪いわけではなく、症例に応じて適切な治療方針を立てることが重要ということです。
部分矯正と全顎矯正の比較
全体矯正 | 部分矯正 | |
---|---|---|
費用 | 80万~100万 | 10万~50万 |
期間 | 約2年 | 半年から1年 |
負担 | 大きい | 小さい |
痛み | 痛みに違いはない | |
噛み合わせ | 整いやすい | 全顎矯正には劣る |
抜歯 | 選択できる | 通常は抜歯しない |
仕上がり | 良い | 全顎矯正には劣る |
性質 | 噛み合わせを整える | 見た目を整える |
部分矯正が可能なケースとダメなケース
可能なケース
- 噛み合わせを整えられないことを認識したうえで、費用面の問題からどうしても部分矯正を選びたい
- 奥歯の噛み合わせがきれいで軽度の不正咬合、あるいは前歯の後戻りに悩んでいる
- 歯磨きしやすい環境作りや被せものの長期安定などを目的に矯正する
できないケース
- 奥歯の噛み合わせが悪く、前歯の見た目だけ整えたい
- 矯正治療の期間を短縮するために、抜歯を適用すべきケースなのに抜歯を選択せず、歯を大きく削ってスペースを作りたい
- 矯正治療の安さだけに注目し、噛み合わせを整える必要はないと考えている
部分矯正を適用できるかどうか、適用してもトラブルが起きないかどうかなどは、信頼できる歯科医院に相談することが大切です。当院では、患者さまの将来まで見据えた的確な診断を心がけておりますので、まずはお気軽にご相談ください。